視覚障害を理由にした山口准教授の授業外しに断固抗議し、授業担当に復帰させることを強く求めます

【声明】

視覚障害を理由にした山口准教授の授業外しに断固抗議し、

授業担当に復帰させることを強く求めます


2016年4月20日
関西地区私立大学教職員組合連合
 

 岡山短期大学の山口雪子准教授が、視覚障害を理由に授業や卒業研究などの担当を外され、研究室からの退去を命じられるという事件が発生しました。

 報道によれば、大学側は「ゼミの授業中に飲食していた学生に気付けなかった」「無断で教室を出る学生に気付けなかった」ことなどを理由としてあげているとされます。しかし、この論理は、山口准教授の教育研究活動の内実にまったく踏み込むことなく、実質的に視覚障害の存在のみを理由として教員適格を全否定するものであり、これが障害に基づく差別であることに疑問の余地はありません。断じて容認できません。
 障害者差別解消法に言及するまでもなく、現に存在する差別をなくすために努力する責務が私たちにはあります。とりわけ、若者たちの成長に関わり、社会への橋渡しを担う大学人には、より一層強い責任の自覚が必要なことは言うまでもありません。今回、大学という場でこのような差別事案が発生したことについては、同じ大学人として慚愧の念に堪えません。
 以上のことから、私たち関西私大教連は、岡山短期大学学長に厳重に抗議するとともに、以下のことを実行するよう求めます。第一に、山口准教授に対して誠実に謝罪すること。第二に、山口准教授を従来の教育研究活動に復帰させ、一切を元通りにすること。同学長ならびに同大学の運営に責任を負う理事会は、率直に非を認めることによって山口准教授の名誉と被害を回復するのみならず、同大学とそこに集う教職員・学生の名誉を回復する責任もあることを、肝に銘じるべきです。
 また、山口准教授が、視覚障害に伴う諸々の困難に対して、補助者の人件費負担をはじめとして大きな個人的負担を強いられてきたことについても、私たちは看過することはできません。同大学学長ならびに理事会には、山口准教授に対する「合理的配慮」を実施する直接の責任があり、これらの費用は本来大学によって負担されるべきものです。同大学学長ならびに理事会に対し、山口准教授への適切な「合理的配慮」を早急に実施することについても、併せて求めます。